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2020.06.29

相続税!過度な節税策は大丈夫!?

 数年前の相続税法改正による基礎控除の引き下げは、当時色々なメディアでも取り上げられ話題になったことを記憶しています。

最近では一時ほどニュースなどでも取り上げられることは少なくなりましたが、相続税の申告対象者は年々増加傾向にあり、令和1年12月に国税庁より公表されたデータによると平成30年分の相続税の課税割合は8.5%(平成29年は8.3%)であり都市部ではさらに割合が高くなっています。

 相続税は原則として金銭一時納付であり、残された家族に多額の納税義務を負わせることから、何とかしてその負担を減らしてあげたいというお気持ちは当然のことかと思います。

                                                                                 
しかしながら、士業やコンサルティング会社等から受ける過度な節税策には要注意です。
                                                                                   
特に節税金額の〇〇%を報酬として請求するようなケースである場合、節税を行えば行うほど報酬金額も高くなることに目を付けリスクを顧みない手法を用いるケースもあるようです。
                                                                        
過度な節税策に注意喚起を促すのは、相続税には総則6項という税務当局側にとても有利な規定が定められているからです。
(参考)
財産評価基本通達総則6項(この通達の定めにより難い場合の評価):
財産評価基本通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。
                                                                                     
通達は法律とは異なる位置付けで絶対的なものとは言えませんが、税務行政の執行においては当然のように使用されているものです。しかしながらその通達を以てしても絶対に大丈夫とは言えないということです。
                                                                         
税金が大幅に安くなるからということで、専門家の提案を受け相続税の申告書を提出した後、数年度にいきなり税務調査が来てこの計算方法は認めない!追加で何千万円の相続税を払ってくださいと言われたら誰だってびっくりしますよね。
                                                                            
総則6項の適用においては次の点がポイントになります。
財産評価基本通達に定められた評価方法を形式的に適用することの合理性が欠如していること
財産評価基本通達に定められた評価方法のほかに、他の合理的な評価方法が存在すること
財産評価基本通達に定められた評価方法による評価額と他の合理的な評価方法による評価額との間に著しい乖離が存在すること
上記③の著しい乖離が生じたことにつき納税者側の行為が介在していること
                                                                      
相続税対策は相続税額を軽減するために有効ですが、特に相続の発生直前直後に色々行うと税務当局は上記に着目して総則6項の適用を検討します。
                                                                 
納税者自身が総則6項の適用有無を判断することは困難ですが、あまりに上手い節税話があったときは要注意です。セカンドオピニョンなどを利用し、しっかりとリスクを把握して相続人に負担をかけないように備えておくことが重要です。
                                                                     
相続がいつ発生するものであるか分からないからこそ、ご家族のために早め早めに長期目線で有効な対策を行うことが非常に重要であるという点、心に留めておいてください。

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