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2021.11.04
インボイス制度が与える影響~報酬と給与~
個人に対する支払いが報酬に該当するか給与に該当するか、判例等で一定の基準は示されているものの、詰まるところ複合的な事実関係に基づき総合的に判断するということから税務調査でも論点になりやすい事項です。
報酬と給与では主に以下の点で取り扱いに違いが生じます。
・契約形態
・社会保険
・源泉所得税
・消費税
このうち令和5年10月1日からインボイス制度が始まることで消費税の取り扱いに注意が必要です。
インボイス制度では、適格請求書発行事業者が発行した適格請求書を保存することが仕入税額控除の要件となっており、適格請求書発行事業者となるためには消費税の課税事業者になる必要があります。
では、敢えて個人で消費税の課税事業者になり適格請求書発行事業者になるかというと、そういうケースは多くないと見込まれるため、適格請求書発行事業者に該当しない個人に対する支払が給与でも報酬でも、消費税の仕入税額控除の適用はできないという点で違いは生じないということになります。
これにより、小規模事業者には税負担や事務負担が増加する場合がありますが、一方で仕入税額控除の要件としてシンプルになる側面もあります。制度に沿った運用を正しく行うことができるようにご自身のビジネスにどのような影響があるかしっかり確認して頂く必要があります。